就活「ファーストキャリアが大企業」というのは一つの成長ドライバー
こんにちは、みきふぉいです。
今月から、企業の採用活動が解禁になったようですね。
◆全体的にレベルが高い!優秀なインターン生たち
先日、2020年採用向けのインターンシップに先輩社員として参加しました。
もはや入社11年目を数え、身近な先輩社員と言えるのか不安な面もありますが…苦笑
現在の大学3年生なので、20歳前後の学生たちが集まるイベントに参加させてもらえて、とても光栄なことと思います。
入社2年目から、様々な形で採用イベントに携わらせていただいて、毎年、短い時間ですが、学生の皆さまとお話ししていると、自分の頃よりもずいぶん勉強されているし、まじめに取り組んでいらっしゃる印象があります。
私が就活をしていた当時よりも企業が積極的にインターネットでの情報開示が進み、全体的に情報量が増えていることもあり、学生にとってはさまざまな情報がネットで手に入る一方、企業が学生に要求する企業研究の水準が高まっているような気がします。
◆ファーストキャリアは、大企業という選択肢
私は、金融機関の総合職として入社し、いわゆる大企業で育てていただきましたが、採用イベントで学生の方の質問に受け答えしていると、どの会社に入るべきか、すごく慎重に考えていらっしゃるように思います。
社会人になってからも、自分のキャリアは異動希望・転職・起業とさまざまに形を変えて選択していくタイミングはありますが、おそらく、今の日本の採用形態では、新卒のタイミングがもっとも選択肢の多い 就職活動だろうと思います。
もちろん、新卒一括採用にはいろんな意見がありますが、私が学生だった時、大した特技や実績がない中、よーい、ドン!で多くの企業が門戸を開いているのは楽だなぁと思っていました。
ここからは、新卒採用イベントで私自身が良く聞かれることや、社会人生活丸10年を経て感じている、一個人の意見です。
人生100年時代といわれる社会で、複業も受け入れられるようになってくると、 ファーストキャリアで成し遂げたこと、経験したこと、関わった人などが 将来、自分らしく仕事をしていくことにも影響を与えます。
幅広い業務を扱っていること、そもそも同じ企業で働いている社員が多いこと、 (比較的)安定したワークライフバランスを確保できることなどを加味すると、 ファーストキャリアは大企業という選択肢は、ありなのではないかなと考えています。
もちろん、そこの部分の考え方は人それぞれで、正解はありません。
よく言われるように、ピッチャーになりたいとチームに入ってもずーっと球拾いをさせられているようでは 3年、5年後にさえ素晴らしいピッチャーになれるわけではないと思います。
一方で、その1年間をどのように過ごすかで、その後の成長スピードに差が出るとも考えられるわけです。
◆大企業ならではのキャリア開発 ①使えるものは使い倒す
つまり、自分が与えられた環境で、どのように考えるかによって、その後のキャリア開発も変わってくるということです。
野球で言えば、球拾いをしながら、ピッチャーの動きを観察すること、ピッチャーに直接、日々の練習に関するアドバイス等を求めることなど自分が与えられた環境でピッチャーを目指すために成長する糧になるのです。
そのためには、地域の限られた人が参加するチームよりも、世界を目指せる大きなチームに入って、様々な育成プランや合宿を経て、 一軍のピッチャーを目指す方法もあるわけです。
野球の事例と同様に、長い人生の最初のキャリアを大企業で過ごすことは、今後の成長ドライバーを得るためにも活用できると思います。
それは、人脈、幅広い経験あるいは専門性、その道のプロと仕事をする機会、 働き方改革による余暇の充実、豊富な自己啓発プラン、手厚い福利厚生… そういったリソースを自己の成長のためにどのように使い倒すか、自分のやりたいことを実現するために利用しない手はありません。
◆大企業ならではのキャリア開発 ②大企業で独自のポジションを確立し一目置かれる
現時点でやりたいことが明確でないという場合でも、大企業で様々な業務を経験しながら、自分がやりたいことに出会えるかもしれませんし、業務の中で、志向が変わっていくこともあるかもしれません。
私自身、「どうしてもこれがやりたい!」という希望があって、今の企業に入社したわけではなく、社会的な影響の大きさや存在意義に共感し、今いる会社の成長に貢献したいと感じたことが入社を考えるきっかけになりました。
現在はちょうど、幾度かの社内異動や海外留学の経験を糧に、業務の幅が広がったので、次のステップに踏み出そうかなと考えている最中でもあります。
特に、ライフイベント等でキャリアが中断されがちな女性にとって、最初のころに大企業での働くというのはよい経験になります。
自分の志向や育児・介護などの働き方に合わせて、ある程度、部署が選べるというのは、多様な業務を扱う大企業ならではです。
私は、出産というライフイベントを迎える前に、目の前の仕事に取組み、その仕事に対する成果(失敗も含めて)を上司にも認識してもらうことによって、 やりたい仕事に近づけるよう配慮もしてもらいましたし、自分でもそうなるように 働きかけてきました。
具体的には、社内に英語が得意な人があまり多くなかったため、私のように海外留学経験があり、ビジネスレベルの英語が話せるということだけでも重宝されましたし、コミュニケーション力を生かした業務の進め方についても、評価してもらい、会社の中でもある種のポジションを確保することができました。
大企業は、ダイバーシティの推進に力を入れていますが、裏を返せば、まだまだ多様性が足りないというのが現状です。
社員属性が、自分と近いほど、過ごしやすい環境が用意されているかもしれません。
しかし、ドメスティックな会社こそ、グローバルな経験のある人こそが、エンジニアが強い会社にこそ、営業が得意な人こそが 組織を円滑に動かす、あるいは、新たな突破口を見つけるなど活躍の場が開けます。
唯一無二である必要はありません。入社してから身に付けるのでも構いません。
珍しいと思われるくらいのスキルを手に入れると、大企業での生き方が楽になります。
私は、出産によるブランクがありながら、スムーズに会社復帰ができ、同期と比較して昇進が早かったのは、入社以降、自分の強みを活かして、会社内にポジションを作れたことも一因だと思います。
ポジションの確立は、長時間労働で決まるものではありませんし、土日を返上してがむしゃらに働くという状況でもありませんでしたが、 業務をきちんと積み上げて、上司にも「この部分を工夫しました」「この部分は顧客からも好評でした」など、しっかり伝えたことが評価につながったと思います。
また、大企業で評価されたという経験は、その後のキャリアを自分で考えていくときに、参考資料にもなりますし、そこから、また新しい挑戦を始めるきっかけにもなります。
あくまでもファーストキャリアを大企業で過ごすということが 選択肢になると考えているので、ずっと働けるからとか安定しているから、というのはまた別の話です。
◆大企業ならではのキャリア開発 ③リソースの余裕を自分の余裕に
労働環境を考える上で、やはり大企業は恵まれています。
人材育成もそうですし、一般の資格取得も推奨されていることが多く、企業によっては、資格取得に関してインセンティブが発生する企業もあります。
人員配置に関しても、産休や病休の社員が少しいても、業務に支障のないよう対応できるようになっています。
それは、大企業として社会から要請されている部分もありますが、やはり、大企業を中心に働きやすい職場づくりが求められているということもあります。
そういったリソースの余剰は、自分の働き方次第で、自分に還元できるのも大企業です。
自己啓発のさまざまなツールもそうですし、社会保険労務士や証券アナリストなど 自分のキャリアに跳ね返る資格の取得に関しても、サポートが整っている場合が多いです。
また、有給休暇の取得も推進しているので、自分の日々の勉強時間を確保することもできますし、アフター5で大学院に通うこともできます。
長期休暇をつなげて、マチュピチュに観光旅行することもできますし、スリランカでアーユルヴェーダ体験をすることもできます。
ここに挙げた事例は、私の知っている大企業で働く友人が実際に行っていることです。
大企業に勤めていると、そのような余剰のリソースを使うことができるので、自分が成長したい方向を中長期的に描きながら、業務を行うことができます。
大きな声では言えませんが、大企業で働いている間は、最低限業務に貢献していれば、よっぽどのことがないと解雇されることはないので、自分の現在の業務に結び付けつつ、 複業の準備や自分の将来のキャリアを整理する時間も取れることがあります。
例えば、私は、こうして就職活動を行っているみなさんとお話をするタイミングを得て、自分のキャリアの棚卸しをしたり、いままでの業務で最も成長できたことを 振りかえったりする時間を得ています。
もちろん、余剰のリソースはいつまでもあるわけではありませんし、自分が人的余裕のない部署に配属されたり、リリース間近の新規施策を担当することになって時間的余裕がない中で、がむしゃらに仕事をしないといけない場面もあるかもしれません。
確かにそういった経験をすることもありますが、一所懸命に取り組んだ仕事は、 自分の成果にも跳ね返ってきますので、あえて避ける必要はありません。
但し、その業務量が過剰であったり、職場環境が劣悪だったりする場合は、上司や同僚または外部機関等に相談し、自分のメンタルヘルスを守るのは重要なことです。
付け加えると、病気で休養を余儀なくされた場合でも、大企業では、ある程度のサポートがあります。
私自身のファーストキャリアが大企業であったので、擁護的な書き方になってしまったかもしれませんが、どの企業でも学ぶべきは多いと承知しています。
また、大企業だからといって、私が書いた通りの環境かと言えば100%ではないかもしれない。
社会も変わるし、社員も変わるし、企業も変わる。
その中で柔軟に自分のキャリアを考えていく1つの考え方として、参考になれば幸いです。